自閉スペクトラム症ー「スペクトラム」について

発達でこぼこ・グレーゾーンキッズ

自閉症は、かつて言われていたような健常と障害のような境目がくっきりしたものではなく
「スペクトラム=曖昧な境目を持って連続しているもの」ということがわかってきました。
全ての自閉スペクトラム症の人が各分野で異なるレベルのスキルやニーズを持っています。
それをイメージしやすくするために、円形のカラーグラデーションで表しました。

言語能力
「おうむ返し」が多い
話すときの抑揚が不自然
音声での指示より、視覚的に提示されたものの方が理解しやすい
会話をしていてもかみあわない
敬語の使い方が独特(友達にも敬語、みたいな)
冗談が通じなくて真に受けたり、たとえ話がわからない

運動機能
知的発達には遅れはなく、筋肉や神経、視覚・聴覚などに明らかな異常も認められないのに
日常生活における協調運動が、年齢などに応じて期待される水準と比較して、不器用といわれる状態になりやすいと言われています。

協調運動とは・・・手と足、目と手など別々に動く機能をまとめてひとつにして動かす運動のこと
(例:縄跳び、スキップ、ボールを目で追いながら足で蹴るなどの運動)

認知機能
経験した出来事や情報を丸暗記して、物事に対応しようとする。
記憶力や注意力、視空間認知能力、言語能力といったものだけでなく、他者の感情の読み取りのような社会認知能力も含まれる。

実行機能 (計画的に段取りをつけたり、予測して行動する能力のこと)
例えば、着替えをする・料理をする・お風呂に入る・家から職場まで移動する・効率よく仕事をする…など

見たり聞いたりしたことを少しの間記憶したり、記憶をもとに考えたりする力と関連があること(ワーキングメモリ)
行動に必要な情報を整理して目標を立てること(共通実行機能)
気持ちや行動を柔軟に切り替えること(シフティング)
行動するために過去の経験を参照すること(情報の更新)
目標には直接関係のない行動をしそうになっても我慢すること(抑制)
これらをするために、自身の行動をコントロールすることが困難であるということです。

感覚特性
周囲の人と同じ感覚情報を受け取っていても、脳が違う受取り方をするときがあるという特徴があります。
生活に困難さが生じるほど、感覚が非常に敏感であることを「感覚過敏」といいます
「聴覚過敏」
は特定の音、
「触覚過敏」は特定の肌触りの衣服を着ること、
「視覚過敏」は日差しが強く差す屋外にいることなどに苦手さが見られることがあります。

反対に、感覚に著しい鈍感さがあることを「感覚鈍麻」といい、
「触覚鈍麻」は怪我などの痛みに気づきにくいなどがあります。

このような特性があり、それは個人個人でも濃淡があったり
また、誰しもが多かれ少なかれ抱えているものでもあるので、
それらをイメージするために、カラーグラデーションを用いるのはとてもわかりやすいと思いました。
円のカラーグラデーションのアイディアは、英語版Twincle Resoucesの
世界自閉症啓発週間の情報から転載いたしました。

 

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